闘病

術前化学放射線療法 治療中の生活② 食事

前回、化学放射線療法中のことについて書きましたが、

もう少し詳しく副作用や食生活についてまとめてみました。

  

放射線治療の際には、週に一回放射線腫瘍科の先生に会い、

治療の状況や副作用などのことについての診察がありました。

治療に関してのことや、副作用が出ている時は、

ここで先生が状況に応じて薬を処方してくれたりしました。

放射線の先生に処方された薬は以下の通りです

  

吐き気止め

これは抗がん剤の方からの副作用もあるとして処方されましたが、あまり使いませんでした

下痢止め

治療開始後は便秘気味でしたが、治療中盤から下痢気味に変わりました。その時には薬を飲んでも効かないレベルでしたが、放射線の照射後すぐからしばらくでよくなりますので、一日中下痢というわけではありませんでした。

ステロイド入りクリーム

放射線を照射する周辺の皮膚はとても敏感になり、場合によっては皮膚が剥がれやすくなったりするらしいので、下痢を繰り返すことによってお尻がとても痛くなるそうです。なので予防的に、クリームをつけるように処方されました。

今考えると、この手術前の抗がん剤と放射線の治療は、

すべての治療の中で一番楽な治療だったと思います。

毎日行かなければいけないということ以外は

副作用も他の治療に比べたら楽だったと私は思います。

ただし、味覚障害はありましたので、

食べられるものが限られました。

  

  

  

  

がんになると、食生活をどう改善したら良いのか

気になる方が多いと思うのですが、

治療中の食事と、治療が終わってがん予防になるような食生活

というのは少し違うようです。

大腸がんの場合は術後など食べられるものが限定されますし、

放射線治療中の食事についても主治医の先生から

治療を始める前に指示がありました。

  

放射線治療中の食事で大事なことは、

タンパク質を多くとる、と言うことでした。

放射線治療は体に負担がたくさんかかりますので、

それに耐えられるようにするために、

最低でも一回の食事に3オンス(84グラム)以上の

鶏肉か魚を取るようにとのことでした。

つまり3食の食事に最低3オンスずつですので、

1日に9オンス(252グラム)以上ということになります。

そこまで難しい量ではない気がしますが、

味覚障害で食べ物を選り好みするようになってしまいますので

意識的に摂取しないと足りなくなってしまいます。

放射線で健康な組織にも影響が出たりしますので、体が修復できるよう

タンパク質を十分に摂ることは必須だということでした。

  

  

なぜ鶏肉と魚なのかというと、

牛肉と鶏肉と同量を比べたとき、含有するタンパク質は

鶏肉の方が多いから、それから消化がよいために

他の肉でも良いけれども鶏肉がベストであるということでした。

また豆にもタンパク質はありますが、

繊維が多く含まれているので、下痢などをしている場合には

不向きだということです。

高タンパク、高カロリーがいいということで

お豆腐などは食べても良いけれども低カロリーなので

食べる場合はきちんと足りるように食べること、

それからもし、肉や魚が食べられない場合は、

プロテインシェイクなどを代用しても良いということでした。

これはホエイプロテインでも、

ビーガンベースのプロテインでも良いので

とにかく、健康な組織を再生し治療の効果を最大にするためには

タンパク質をとることが必須ということでした。

治療中はお腹を下しやすいので、

料理法はできるだけ少ない油で調理することも大事だということです。

 

大腸がんの場合は、治療を始める前に

便秘であったり、便が細かったり、出血だったり

既になんらかの問題があることが多いので、

治療の副作用の下痢のために、繊維の多いものは控えるように言われるのですが

私の場合は治療を始めた直後は便秘で苦しんでいたのですが

今考えると腫瘍が邪魔をして出にくかったのだと思います。

治療が進むに連れて、腫瘍が小さくなり、

放射線にやっつけられた腫瘍の残骸が出てくるようになりました。

思ったよりきれいなものだったので、

これが何か気づくまで少し時間がかかりましたが、

病気がわかる前から出血などで、トイレに行ったら、

出てきたものを観察するようにしていたので

(先生に写真を撮って見せたりもしましたので)

治療をしている方はよく観察すると色々わかると思います。

自分の目で見ると、治療の効果があったと実感できるので

前向きになれます。

私の場合は白くて牛肉の脂身の部分を崩したようなような感じでした。

  

こうなってくると、便秘のような症状から逆にお腹が緩くなってきます。

治療中の変化に合わせて自分の体調に合った食べられるものを食べて、

野菜が必要だなと思う時は、繊維が多くても消化の良さそうなものを食べていました。

   

それからもう一つ大事なのは水分をたくさん取ること。

特に下痢をしている場合には水分補給が大事ですが、

また治療で抗がん剤や、放射線や体にいろいろ入ってきますので、

とにかく水を飲んで、体から余計なものは出すように

看護師さんにも言われました。

   

  

放射線治療中は、放射線の影響なのか、

抗がん剤の影響なのか不明ですが、

味覚障害が出て、食べること飲むことに苦戦しました。

水の味が気持ち悪くて飲めない。

あまりにも急で水が不良品なのか、家のフィルターがダメなのか、

と思いましたが

どんなに高級なミネラルウォーターでも、フィルターにかけた水でも、

微妙な匂いと味がしてしまいダメでした

ですので、先生に相談して、ココナッツウォーターや

糖分控えめのスポーツドリンク、

緑茶や紅茶などを飲むようになりました。

私の場合この治療をしたのがちょうど夏だったので、

冷たい飲み物を飲むことが多かったです。

  

味覚障害で起こった食べ物の好みの変化は、

私は普段は白だし系の方が好きで、しょうゆ味はあまり好きではないのですが、

この治療の間はしょうゆ系の味がヒットしました。

昆布だしやかつおだしはなぜか気持ちが悪くなってしまいました。

先生からは鶏肉を食べろ、と言われましたが、

食べられたのは、蒸したり茹でたりしたささみを生姜醤油で食べる、という以外は

鶏肉も気持ちが悪くなりました。

匂いに敏感になるのか、生臭い感じがして気になって、

生姜やレモンなどを効かせてやっと何とか食べられました。

あと、なぜかはちみつの味がおかしく感じました。

  

病気がわかるまで、ジャンクフードなどは食べず

お肉は食べますが、野菜中心で添加物などにも気をつけて

なるべく体に良いとされるものを食べてきました。

それが病気になってからは、

体重が落ちていたので、先生からは食べたいと思う物、

食べられる物はなんでも食べなさい、

とにかく今は食べることが大事、と言われ

結構なんでも食べました。前にも書きましたが、

フィレオフィッシュが無性に食べたくなって買いに行ったり。。

でもやはり食べられるものが限られてしまったので、

暇さえあれば、妹に送ってもらった高カロリー栄養食の

アップリードのりんご味を飲んでいました。

これは100mlで400kcalもあり、タンパク質も14gで本当に助かりました。

体重が減ってしまっている方にはお勧めです。

  

  

  

私が治療中に食べたくなった物と実際によく食べたものを書いてみます

食べ物

  • おかゆ(おしょうゆと針生姜)
  • 中華粥
  • トースト、ベーグル
  • バゲットで作ったサンドイッチ(ターキー、レタス、チーズ、トマト)
  • バナナ
  • 無脂肪のギリシャヨーグルト
  • おうどん(油揚げやわかめと卵入り)
  • しょうゆラーメン
  • 天津飯
  • 蒸し鶏(生姜しょうゆで)
  • ナポリタン(ナポリタンは病気の前は嫌いでしたが急に食べたくなりました)
  • エビとかたこせんべい(急に食べたくなって日本から送ってもらいました)
  • カロリーメイト
  • だし巻き卵(これも普段はあまり好きではありません)
  • ひれかつ
  • サーモン
  • アップリード(高カロリー食)食べられない時のために妹が送ってくれました
  • ホットドックとピクルス(普段はあまり好きではないのですが食べたくなりました)
  • フィレオフィッシュ

飲み物

  • アイスティ
  • ココナッツウォーター
  • Body Armourというスポーツドリンク
  • 日本茶
  • レモネード
  • アイスクリーム

私は甘いものが大好きなのですが、

と言っても甘いものだけ食べているわけでもなく、

デザートを家で作るのが好きなので、アメリカンスイーツと言いつつも

お砂糖は調整して、オーガニックのお砂糖やてんさい糖などを使ったものを

食べていましたが、

がんになって、お砂糖はがんにえさをあげているのと同じ!

というような記事をあちこちで読んで、

食事について先生に聞いた時にお砂糖についても聞きました。

腫瘍科の先生には、糖分を全くやめるなんていうことはできないし

そういうことは気にしないでなんでも食べたいものは食べて良い、

体重が減ってしまうよりはいいということで

揚げ物でも、お肉でも食べられるならなんでも楽しんで食べなさいと言われました。

そうは言われても、がんを治したいので

言われるがままに食べてしまって治らなかったときや再発した時に後悔するだろうと

出来る限り止めようとしたのですが、

例えば紅茶にお砂糖を入れずに飲むとか、

そう言った毎日のところで気をつけて、

デザートが食べたい時にはチーズケーキやブラウニーなどを

お砂糖控えめで作って食べました。

食べ過ぎは良くないと思いますが、やめてストレスになるのもどうかと思うので

先生の言葉を信じて普通に食べました。

  

大腸がんの方は完全に良くなった今は、

食事も小分けにしたりはしますが、なんでも美味しく食べられるようになり、

当たり前に食べられることに幸せを感じます。

やはり健康は第一で、健康あって家族みんなで仲良く暮らせるのが一番ですね。